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別ページに掲載した、オールディーズの定義をみて、あることに気が付かれた方もいることと思います。それは、排斥しようとしたのは、あくまで'64以降にアメリカのヒット・ソング界に初登場した、一連のイギリス系ビート・グループ等に対してであり、ビートルズ等と同様に'64以降に人気を獲得したBob Dylan他のFolk Rock系のものは受け入れようとしていることです。
なぜこのようにしたのかについては、当時のオールディーズ・ファンの構成について分析する必要があります。この頃の所謂オールディーズ・ファン達は、主にアメリカのヒット・ソング至上主義者がかなりの割合を占めていました。ヒットした曲のみをコレクトするという人種がいたのです。
'63以前のアメリカ製ヒット・ソングでも、C & WやFolkは全く人気がなかったし、'64以降ではTamla-Motown系のものは人気がありませんでした。これらは、サウンド的にオールディーズとはかけ離れた存在でした。
したがって、これらのものは定義を設けてまで排斥する必要もなかったのですが、ヒット・ソング至上主義者達にかかると、ヒットさえすれば何でもお構いなしになってしまうことが危惧されたのです。
しかし、幸いにも定義を理解してくれた人がほとんどで、人気投票は無効投票なく無事終了したことを記憶しています。案の定、人気がないC & WやFolk、'64以降のTamla-Motown系のものは投票されませんでした。
さて、これらのことを踏まえ、オールディーズ・ファンの年齢層に注目すると面白いことが分かってきます。当時はポップスといえば洋楽のことで、アメリカのヒット・ソングを意味していました。初めて興味を持つ年齢は、レコードを買うことができる条件がそろったときの年齢である、ということができます。
私の場合、時代が違うので一概にいえませんが、最初のきっかけは何と言ってもTV放送が開始されたことでしょう。これにより、日本人歌手のカバー曲に接する機会ができたことです。その後、レコードプレーヤーを購入したことにより、レコードを聴く機会ができた訳です。
当時、ステレオ装置として家具の一種みたいにして売られていた豪華な物は買えませんでしたが、家に昔からあったSPレコード(大半が軍歌、歌謡曲でした)を、母親が聴きたいとかで、3スピード(33 1/3, 45, 78rpm)のレコードプレーヤーを購入し、ドーナツ盤やSPを盛んに聴いたのが、おおよそ小学校の5年生の頃で'60のことでした。レコードプレーヤーは、TVに接続していました。この頃はまだ、洋楽を直接聴く機会はありませんでした。
中学生になると、自分専用の部屋とラジオをあてがわれ、レコードプレーヤーはラジオに接続し、ほぼ自分専用に近いくらいに使うことができました。これが'62のことです。ラジオは夜になると、東京の放送が聴けるので、ヒット・パレード形式の番組を聴いたりしていました。TVでの洋楽はカバー盤のみでしたが、ラジオになるとオリジナル盤を聴くことが増えてきました。しかし、この頃はまだ小遣い銭も少ないのと、ただでラジオで聴ければいいやと思ってましたから、レコードを買うまでには至りませんでした。
'63の中学2年の時、Johnny CymbalのMr. Bass Manが大好きになり、ヒットしている頃はラジオで聴けましたが、いずれは聴くことはできなくなります。ラジオでは聴くことができなくなったある日、フト猛烈に聴きたくなり、そのままレコード店へ買いに行ったのでした。記念すべき最初に買ったレコードがこれだったのです。当然、ビートルズはアメリカでまだ人気を獲得していない頃です。
つまり、初めて洋楽に興味を持ち、レコードを購入することになったきっかけが、ビートルズ以降であるか、以前であるかで、好きな対象が大きく異なることになるのです。このときに、私より5歳若い人は、小学3年生です。いかに早熟でも、まだ洋楽に興味は持てない年齢なんですね。この年齢層の人たちは、ほぼ全てビートルズがアメリカで人気を獲得した後、洋楽に興味を持てる年齢に到達するのです。
私が、オールディーズの人気投票を実施したときの年齢層は、私と同じ年齢の人が最年少で、大半が年上の人たちでした。このことからも、第一次のオールディーズ・ファンになり得た年齢層が分かると思います。
その後、映画アメリカン・グラフィティの大ヒットで、日本でもオールディーズ・ブームが起き、これによってオールディーズのファンになった人は、私よりも10歳以上若い人達でした。
オールディーズ・ブームは何度か起き、TVやラジオ局のディレクターあたりが、オールディーズを知っている年齢層になってくると、よくオン・エアされるようになり、また、レコードも度々発売されるようになり、一般に定着していったのです。
これで、なぜ私より5歳位若い人がオールディーズに興味を持てないか、お分かりのことと思います。ビートルズや'65のFolk Rockのブームによって人気を獲得したBob Dylan等から洋楽に興味を持った人たちにとっては、オールディーズは興味の対象になり得ないのです。もちろん、例外はあるでしょうが、オールディーズの時代を現実のものとして肌で感じ取れた世代は、私より年齢が上の人たちに限定されるのです。
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